手をつないだからキスをしよう!

「唯ちゃんが騙そうとしてないことくらい分かるでしょう?」

「先生が唯ちゃんを好きなんだからしょうがないじゃない。」

「あの二人の間に入る隙間はないからね。」

みんなの言う言葉は、もっとも。

だけど………耳が痛い。

ホンの数ヵ月前までは…………私自身の言葉だったから。

失恋を目の当たりにして……

みんなから傷口に塩を塗られて………………

唯ちゃんよりも………今は咲を庇いたくなった。

私のように、早く楽にしてあげたい。

そんな思いで口にした「もう無理だから……諦めた方が良いよ。」

それに対して返ってきた言葉は………

「どうして?どうして、あの人ばかりみんなに守られるんですか?
先生が好きなら仕方ないって分かります!
でも私………旅行の時唯先生に『先生のことが好きだ』って言いましたよね??
あそこで付き合ってるって言えば………こんな気持ちにならなかった。」

「だから、それは……園に内緒にしないといけない…………」

アズの言葉に被せて

「彩先生だって先生のことを好きなのに!
どうしてあの人を庇えるんですか!!」って………

夏苗とアズのびっくりした顔。

海晴は頭を抱えていた。

別に隠すつもりはない。第一、ウソではないから……否定できない。

私が発した言葉は………

「だから?」だった。

肯定も否定もしないことで、ここにいる全員が私の気持ちを理解した。

正し………もう一人ここにいたことに………誰も気づかなかったけど………