「なあお前さあ長谷川さんと付き合ってんの?」


「、、、、、え、?!、、」


「えじゃねえよ付き合ってんの??」



「そっそんな訳ないだろ、、!」






久しぶりにクラスメイトに話しかけられたと思ったら、コイツらだった。




「じゃあなんでいつも一緒に帰ってんだよ??」


「それは、、向こうが一緒に帰ろって、、」


急に目つきが怖くなった。

「はあ?んな訳ねえだろ?!!」
「お前みたいなやつが長谷川さんに?バレバレな嘘つくなよ」
「まじシメてやろうかお前よ」


「ほっほんとだって!」



僕は野田俊介(ノダシュンスケ)。
ある底辺高校の2年生をやっている。
、、もうわかったと思うけど、僕はネクラで存在感も無い。教室のすみっこにいつも1人でいるさ。友達なんていないしいらない。




「あれ?野田くんなにかあったの?」



「あ、、」

「長谷川さん、!ちょっと話してたんだよ」

「あそうなの?小山田くんたちと話してるなんて珍しいなーと思って、」

「それよりさ数学の課題全然出来てないんだけど教えてくんない?」

「あーうん、いいよ!」

長谷川さんはいつも優しい。
ほんっとに優しいんだ。
6月に転校してきて、それからずっとこの学校のマドンナで、美人。しかもこんな僕のことを気にかけてくれて、ネクラだろうがなんだろうが積極的に話しかけてくれるんだ。



「おい小山田ずるくね長谷川さんとマンツーマンじゃねえか」
「おれも教えてもらうっ!!」
「え!おれも!」


「長谷川さん、おれらもいいかな!?」
「ああうん!全然いいよ、ここ座りなよ、!」




「おっじゃまっしまー、、!!?!」




小山田は天野たちを睨みつけた。



『くるな、くるな、くるな』


口パクでそういっていた。
最後に首を外に振った。


「天野くんたちはどこがわからないー?」




「あ、、あっ、、ううん!いいや大丈夫になった!ありがとうっ」



天野たちはすぐさま去っていった。



「ん、、、?どうしたんだろう」


「さあな、つづけようぜ」

「そうだね」





僕は遠くからずっと眺めていた。

小山田のやつ長谷川さんを独り占めなんて。天野たちの気持ちもわかるな。なんせ小山田が怒ると先生も止められないんだ。ちなみに僕は小山田と中学校から同じだった。あのころは毎日放課後殴られてたな。