気づけば7月。


在木先輩たちは最後の夏に向けて、練習が厳しくなった。


そんな中、こころからある情報が飛んできた。


「在木先輩、怪我してる?」
「え、うそ」

耳を疑うような話。

でも彼はもともと細いから、怪我もよくしていた。
松葉杖をついてるところも見かけたことがある。

でも、この時期に怪我をすると、夏大には出られないはず。


気になって、放課後の部活の時に先輩の姿を探したけど、グラウンドにいなかった。


練習場行ったのかな。

と思っていたら、部室の裏の倉庫から先輩が出てきた。

見てみると指に包帯を巻いていた。骨折。

『先輩、夏大出れないの …?』


楽しみにしてた野球応援。先輩が出るかもしれない。応援に行こうと少し前からこころと張り切って計画を立ててたのに。