次の日には終業式があった。もう明日から冬休み。2週間ぐらいは会えなくなる。

とは言っても、部活の時間が同じだったら野球部の練習を眺めることができるから、あまり寂しさは感じてない。

終業式、隣の隣の列に並ぶ先輩の後ろ姿を目に焼き付けた。

それから、体育館を出る時、わざと先輩が出るのとタイミングを同じにして、先輩の後ろをついて行った。先輩を間近で見れる唯一の時間だった。

そして、階段の下で先輩の背中とはお別れ。

「良いお年を」と心の中で呟いてから別れた。

冬休みの部活の時間は唯一在木先輩を見ることができる時間。

でも毎日見れるわけではない。

私の部活が学校ばかりじゃない。陸上競技場に行くこともあれば、練習施設に行くこともある。

それに、私たちが午前練なのに対して野球部が午後練なこともしばしばある。

「綾ちん、帰るよ」

陽奈に声をかけられて我に返る。

ボーッと先輩を眺めてた私は急いで部室に入って着替えた。