ストーカーと思われるかもしれない。

自分のクラスのTシャツとは違うTシャツを着た人を写真撮ろうとしているのだから。カメラのディスプレイを見られてしまえば、私はきっとストーカーに間違われる。

まだ話したこともない先輩。

相手が私のことを知ってくれてるかすらわからないのに、写真を撮るのは、正直自分でも気持ち悪いと思った。

だけど、ただなんとなく、このリレーで写真を撮らないと後悔するような気がした。

「クラス対抗リレーの選手に選ばれている生徒は、グラウンド中央に集まってください、繰り返します ...」

リレー選手が続々と集まっていく中に、在木先輩の姿を見つけることはできなかった。