「負けたね。」
「やっぱり3年生には勝てんよね~ 。」
「うん。これからどうする?」
「リレーまで時間あるね。」
「外行きたい。」

たしか在木先輩はサッカーに出る。それを見たいことを陽奈は察してくれたらしく、快くOKしてくれた。

外のサッカーは、在木先輩のクラスはもう終わっていた。

まあいいや。最後のリレーまであと少しだし。

在木先輩は、クラス対抗リレーに出る。プログラムに名前があったからそれで知った情報。

しばらくして、陸上部のマネージャーが呼び出されて、陽奈が行ってしまった。
残った私とこころは、在木先輩の話をした。

「先輩、走るのあっち側やったらどうしよ」
「見れれば満足やろ?」
「いや!写真撮りたい…(小声)」

私の目的は、走る在木先輩を写真に収めること。そのためにカメラを持ってきたと言っても過言ではない。

続々と外に集まってくる他の生徒に負けないように、前列を陣取った。