「・・ヴィックス殿。
何を笑っておられる?」


“にやついた顔”

隣を歩くヴィックスはこの言葉がピッタリ当てはまる表情を浮かべていた。


「・・正直、安堵致しました。」


「・・・政務の事ですか?」


「はい。

リバル国王がどんな素人采配をしてしまうか気が気でなりませんでしたが、

それがし達が思っていた以上にあの方は冷静ですな。」


「・・言葉が悪いですよ。」


「これは失敬。

だが家来の者達、
皆が思っていたこと・・・

・・リバル様が王となる事で、
一番懸念されていたことです。」


「・・・・・・・・。」


「・・カズマ殿?
どうされました?」


「いや・・なんでもございません。」



“リバル様らしくない”

その言葉を飲み込み、
自室へと戻った。