葬儀を終えた後、
ラバル様の御遺体は王宮の霊安室にて丁重に置かれていた。
火葬、水葬・・死者への手向けは様々やり方があるが、
ハグワール王家は代々その墓へと土葬することになっている。
どんなやり方であろうが・・・
残された者にとって・・
生きる者にとって、
それは“本当の別れ”を意味する。
リバル様のお気持ちも痛いほど良く分かるが・・・。
「・・・・そんな事、
お前に言われなくても分かってる。」
リバル様は酒瓶と杯を持って立ち上がった。
「・・・どちらへ?」
「今宵は夜通し、
兄上と最期の杯を交わす。
霊安室には誰も近づくな。
・・・明日には埋葬する。」
「・・・ハッ。」
その言葉を聞き、
今度こそヴィックスと共に王室を出た。



