「王家の人間が気軽に街に出て、
民と交流するは平和な証拠。
そういう意味では結構なことですが、
飲み食いの代金をお店にちゃんと払って頂かないと困ります。
“ツケ”というのは、“あとで払う”からこそ成り立つ制度ですよ?」
ラバル様が立派に国王として皆を引っ張っていってくれる中、
弟のリバル様の怠惰ぶりは最近目に余るものがある・・。
あまり外に出ず、お部屋に籠もる生活を送っていたリバル様だったが、
先代が・・お父上が亡くなってからというものの少しずつ変わっていった。
しかし変わる方向が明らかに間違っている。
今宵のように酒を飲んではその代金を踏み倒し、
飲み処の主人が私や王宮の者に泣きついてくるというのは日常茶飯事だった。



