布団で眠るリリカは、まるでいつか見たイズミの寝顔にそっくりだった。


悲しそうで、泣き出しそうで、
“安らか”には程遠い寝顔だった。



<リューマ、僕の決心は変わらないよ。>


「この子の傍にいてあげなくて大丈夫なのか?」


<きっと分かってくれる。

リリカやカリマルさんをこんなにも苦しめた王家を僕は許さない。

明日の総攻撃にはついていく。
僕も一緒に戦う。>


「戦況では圧倒的に俺達が有利だけど、

だからといって無事に帰ってこれる保証はないんだぞ?」


<もう僕は・・リリカに助けられていたあの時のいじめられっ子じゃない。

強くなって、今度は僕がリリカを守る。>


「・・・そっか・・じゃあお別れはまた明日改めて言おう。」


「・・・?」
<お別れって・・なに・・?>


「・・・なんでもない。ごめん邪魔したな。お前もゆっくり休めよ。」


「・・・・・・・。」



キッカワの背中をポンと叩いて、リリカを起こさないようゆっくりと部屋を出た。