ここに来るまでの間、

シェルターの外には頭の先まで藁に覆われた人達がたくさん寝かされていた。


街を、ペット達を守ろうとした多くの人々。


こちらが“行こう”と引っ張るまで、

イズミが涙を流しながらその人達に手を合わせ続けたのは言うまでも無い。



「リューマ殿。大した物はないがこれを食べて養ってください。」


「ありがとう。・・え~っと君は・・。」


「ローゼ華撃団、ファーストです。」


「ファーストね。覚えた。」


「ハグワールへ向かったエイダにあなたの事はお聞きしました。

道中イズミ様をお守り頂き、
感謝の言葉が尽きません。」


「・・・・イズミは本当に街のみんなに愛されてるんだな。」



視線の先では、ご老人や小さい子供まで。

たくさんの人々に囲まれるイズミ。


その無事を喜びみんながイズミの手を握っていた。