「それが・・何やら国王が先程から落ち着かない様子で、

右から左に王室を歩き回っているのです。

それがしが理由を尋ねても、
“なんでもない”と濁されてしまい・・。

ここは国王と旧知の仲であられるカズマ殿にお力添え頂きたい。」



・・・珍しい。


ヴィックスに隠し立てをするなんてラバル様らしくない。


何かあるのだろうか?


「分かりました。
すぐに王室へ向かいます。

どうかヴィックス殿はもうお休みくださいませ。」


「かたじけない。よろしくお願いします。」



少し肌寒くなったこの季節、
一枚羽織って王室へと向かった。