第2章 不協和音       カズマ



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「カズマ殿、大変でございます。」


そろそろ眠りにつこうかとベッドに入りかけた時、

部屋の外から執事長のヴィックスの声が聞こえた。


王宮で働く者達を纏める、
国王様にとって側近中の側近。


私はどちらかというと王家の生活面でのお世話が主だが、

政務をする上ではこのヴィックスが国王様のサポートをしていた。


「ラバル様に何かあったのですか?」


そのヴィックスがわざわざこんな夜中に私を呼びに来るとしたら、ラバル様の事に違いない。


部屋の扉を開けて、
少し慌てた様子のヴィックスと対面する。