第21章 雌伏雄飛      カズマ



********************************************


「カズマ、どう思う?」


「にわかには信じがたいですが・・

イズミ姫は“エレベスト山脈”を越えてきたんでしょう。

それ以外考えられません。

自衛部隊の包囲網をかいくぐって・・アルトに突如として現れた理由は・・。」



「・・・嬉しそうだなカズマ。」


リバル様に構うこと無く、
私の顔はほころんでいた。


“あり得ない”

私も含めて誰もが口にした。


この国の長い歴史で、前人未踏だったエレベスト山脈を使っての“テナー~アルト越え”。