「サイコ殿、これは恐らく違う。
他をあたろう。」

「・・・・・」



「主人、すまぬがこれ以外に、“温泉”という名がつくこの街の名物はあるか?」


「・・・温泉饅頭・・
この先にある旅館の物がお薦めだよ。
・・営業してるか分からないけどね・・。」


「ありがとう。行ってみる。」



主人に詳しい場所を教えて貰い、
再び歩き出・・・



「・・・・・・・・・・・・・・・」


「サイコ殿?どうした?」


「・・・・・・・・・・・・・」


!?

「・・サイコ?」


さっきから・・どこか遠くを見つめていたサイコが突然、背中に手を伸ばして長刀を抜いた。



「・・!?
待てサイコ!どこへ行く!?」




速すぎる・・!


瞬間、音も無く駆けだしたサイコ。

何かに向かって一直線に疾走するその後ろ姿を慌てて追った。





第15章 完