第1章 砂漠に住む若人    マコト



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「はい。大事に飲めよ。」


「ありがとうございます。」



2日振りに受け取った大きな水樽を両手に持ち、行列の先頭から外れる。


『ワンワン!』


中に何が入っているのかすっかり学習している愛犬が、嬉しそうに僕の足下をグルグルと回り始めた。


「慌てない慌てない。
さあ八百屋さんに寄って帰ろう。」


『ワン!』


夕飯の野菜スープの材料を求めて、愛犬と共にいつもの八百屋さんへと向かう。