「偉いなこの子は。

会った時から今日まで、
ほとんど弱音を吐かない。」


「リューマ、1つ聞いても良いか?」


「うん。」


「そなたの家にあった祭壇。
飾られていたのは・・。」


「両親だよ。」


「・・・2人共亡くなったのか・・?」


「5年前の砂嵐災害覚えてる?」


「・・・そうか・・・
あれで・・。」


「だから少しはこの子の気持ちも分かる。」


イズミを起こさないようにと、どれだけ馬車が揺られてもエイダの体幹は動かなかった。