第13章 バス、脱出     リューマ



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「バスは、テナーから水の供給を受けてる。

2日に1回、テナーからの水商人が大量の水樽を馬車に乗せて運んでくるんだ。」



出発を明日に控えた夜、

暑さにやられ消耗しきった体を回復させたイズミとエイダの前に、バスの地図を広げる。


バスの最西端、
テナーへの公路と続く関所を指さした。


「水を供給し終えた商人達がここに来るのを待ち伏せして、彼らの目を盗んで馬車に忍び込む。

そうすれば・・。」



ここまで説明し終えたところで、
エイダが地図を指でなぞる。


「私達は労せずテナーまで運んで貰える・・。」


「そういうこと。」


「ここから関所までは?」


「10㎞ってところか。
昼に出れば十分間に合う。」


「・・・・夜のうちに移動しておいたほうが良いのではないか?

私はともかく、
イズミ様の顔は知られているのに・・。」


「だからこそ、少しでも人が行き交う昼に移動した方が見つからないだろ?

真夜中に男1人と女2人がせっせと早歩きしてたら、巡回してる自衛部隊の目にすぐ留まってしまう。」


「分かった・・。」