今の私にとって、唯一の希望はイズミ様がここから逃げ出した事。


そして彼女が、リバル様に抵抗する唯一の街ソプラノの姫であること。


もはやこの腐りきった王宮に対抗できるのはあのお方、あの街しか無い・・・。


イズミ姫・・・どうか・・無事にソプラノへお戻りになり、我らを撃ち抜く弾丸に・・・




「カズマ、お前の反対を押し切って廃武具令を遂行しておいてつくづく良かった。」


「・・・・・・・。」


「下手な期待を持つのはやめろ。
武器も持たない民達に何が出来る?

どのみち娘は見つけ次第殺すよう兵達に命じた。」


「イズミ姫は必ずソプラノへご帰還される。
私はそう信じています。」


「バス、テナー、アルトを越えてか?
付き人も一緒に逃げ出したようだが、
丸腰の女2人だけで何が出来る?」


「・・・・・・。」