かみしめるように塩水を飲み終えた連れの女がゆっくりと俺を見た。
「私の名前はイズミ。
こちらはエイダ。
私が生まれた時から、ずっとお世話をしてくれている大切な方です。」
イズミに・・・エイダ。
「それで?」
「私達はハグワールの王宮に捕らえられていました。
しかし一瞬の隙を突いて、
ここまで逃げ延びてきた所です。」
「王宮から・・・?」
話が全く見えてこないでいると、
今度はエイダが口を開いた。
「イズミ様はソプラノの長のお嬢様。
ある日、リバル国王に招かれた王宮での宴の途中、奴の家来に拉致された。
王はイヌ・ネコ虐殺令を果たす為、
イズミ様の他・・・ご家族を人質に取って長達を屈服させたのだ。」
「・・・・・どうりで・・ここまで手際よく進められたわけだ・・。」
「しかし・・ソプラノの長、
イズミ様のお父上は反旗を翻した。
自らの命を差し出し、リバル国王へこの傍若無人な行いをやめるよう嘆願した。」
「・・・・・・・。」



