第9章 命の選択       マコト



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「お母さん、薬膳スープ作ったから置いておくね。」


「・・・・ゴホッ・・ゴホッ・・
ありがとうねマコト。」


ここ最近は調子が良いと思ってたけど、

また昨夜から熱が上がった母がベッドから起き上がる。


『ワン!』


「コロ・・・ごめんね心配掛けて・・。」


母を心配するようにその足下に寄り添うコロ。


「熱いから火傷しないようにね。
じゃあコロ、散歩行こう。」

『・・クゥーン・・・。』


「・・行かないの?」

『ワン!』


「お母さんが心配だから今日は散歩いいって。」


「コロ・・ありがとう。」

『ワンワン!』


母に優しく頭を撫でられ、
コロは嬉しそうに吠える。