ものすごい勢いで問い詰められた私は何も答えられず、予鈴のチャイムが鳴った。




その皆が言っている“ 彼 ”とは、同じクラスの明沢 悠馬(アキザワ ユウマ)のことである。




明沢と私の接点は、同じクラスなだけで、ほとんど話したことがない。




ただ…

いつも私の視線の先には明沢がいるのだ。



クラスで目立った存在でもない。
お世辞にも容姿端麗と言えるような見た目ではなく、いつも眼鏡をかけた普通の男の子。




私は、何故かいつも彼を目で追っている。

いつからかもわからない。高2になってからだというのはたしかだけど。