「親父にその事を言ったら、我慢しろって……」


ひ、ひどい……。


自分の子どもがいじめられててもそんなこと言うなんて…。


「だから俺は耐えて、親父に認められれば自由になれるって信じて頑張った。

それでも、親父に褒められたことなんて1度もない。

そこに思春期も加わって、ついに俺は家を抜け出した。

それで、母さんのとこに住んだんだ。

でもすぐに親父に見つかって、母さんはお金を俺に渡して逃がしてくれた」


それで、ここを見つけたのか…。


そして、私達は出会ったんだ。


「今日、親父が……もうお前なんかいらないって……」


なにそれ……。


「もうどうなってるかわかんない。

親父から逃げたかったのに、いらないって言われたら涙が出てきて……。

俺、今までなんで辛い思いをしてきたんだろう。

小さい時からやってきたことは、なんだったんだろう……」