「俺の親父、会社を経営してる。

かなり大きい会社。

そこは俺のひいおじいちゃんから続いてる会社で、親父の宝物なんだ。

そこの後継が俺ってこと。

子どもは1人しか生まれなかったから…」


「うん……」


「一人息子の俺を社長にするために、小さい頃からいろんなことを叩き込まれた。

休日、友達が外で遊んでるだって、俺は家に閉じこもって習い事。

学校の日も、休み時間にみんなが遊んでいても、俺は机に向かって勉強。

親父に逆らうなんて許されなかった。

でもそんな中で唯一俺をかばってくれたのが母さんだった。

いつでも俺の頭を優しく撫でて

『そんなに頑張らなくていいんだよ』
『たまには遊んだ方がいいよ』

そう言ってくれた。