「んー...」


朝、携帯のアラームで起こされる。


眠い目を擦りながらなんとか起き上がり、着替えを済ませると凛子を起こして食堂に向かった。


「花音はさ、彼氏作んないの?」


「え?

うーん...まだ良いかな」


「えー、可愛いのに勿体ない!

ま、好きな人出来たら教えてね!

応援するから」


「ありがとう」


朝食を済ませ、HRが始まる前に木下さんの教室へ脚を運ぶ。


「あの...」


私のクラスとは違って、HRまでまだ時間があるにも関わらず、教室にはほとんどの生徒が揃っている。


「え、生徒会長!?」


何か用事ですか、と囲まれた。


「えっと......木下咲良さんに、少し」


「木下!?

あいつに告るんすか!」


明るい茶色の髪を無造作にセットした男の子が声をあげた。


告る...?


私、女の子は恋愛対象じゃないんだけど...。


「あーっと、木下まだ来てないみたいなんで、来たら会長のクラスに行くよう言っとくっすよ」


「本当?

ありがとう、助かるわ」


「い、いえ!」


そのまま真っ直ぐ自分の教室に戻り、木下さんが来るのを待った。