彩色少年感情少女

なんなんだ、これ。少し落ち着いたおれは、
まあ、もう少ししたら父親が助けに来てくれるだろう。とそんな呑気なことを思っていた。
だが現実はそんなに甘くなかった。

「この方はねぇ..!! 坂山大翔さん!私のダーリンなの♡
私たちは愛し合っているのよ!!!♡
ヒロトはねぇぇぇぇ!!!!偉大なる科学者なのよ!
今は、薬の研究をしているのよ♡
そう!感情が見えるようになる薬よ
でもね、この薬はまだ使用例がないの
そこで、いいこと思いついたのよ私〜!!!」

なんで不気味な喋り方なんだろう、
この時の母親の笑みがおれは今でも脳裏によぎるぐらい、怖かったんだ。

「あなたに実験台になってもらうのよ〜!!!」

「は!?」
俺はまだ小さかったし、話の内容も全然わからなかった。だけど、母親は俺の有無を聞かずに勝手に実験を始めたのだった。

それからのことはあんまり覚えていない。
俺は色々な管につながれ、だんだんと眠くなって、、、、、、。

目が覚めた時には意識がぼんやりとしていた
目の前には誰もいない。
後から聞いた話だと、母親達は警察に見つかり、連れていかれたらしい。
1番奥の見えないような部屋で実験されていた俺は放置されていたってわけ。