「全員集合!!今日は少し話がある。」
私たちの監督。厳しいけどいつも私達のことをよく見てくれている人。

「監督。全国大会についての話ですか??」
この人は空(そら)。バスケ部の部長。陸の次にバスケが上手くて、みんなをまとめてくれる優しい奴。

「ちげーよ。俺が部長になるって話に決まってんだろ
ーが笑」
これが陸(りく)。バスケ部の副部長でエースでもある。いっつも明るくて笑ってばっかりの周りに元気あげちゃう奴。

「あはは!!それはすげーや!!陸先輩が部長とか冗談キツイですって」
この子は蓮(れん)。一個下の後輩。くそ生意気だけどバスケの腕は陸と空の次に入るくらい上手い。

「お前らそれくらいにしとけ。今日の話は全国大会の事もあるが、もう一つ重要な件だ。実はマネージャーが転校することになった。親御さんの仕事の都合で急なことだが、仕方ない。話は以上だ。」

「え...。いやいや、ちょっと待てって。そんなん俺聞いてねーぞ!?どーゆーことだよっ!!美紅!!なんで何も言わねーんだよ!!一緒に全国大会行くって約束は??おいっ!!」

「ごめん陸……。ほんとにごめん。」

「ごめんじゃ分かんねーよっ!!」

「陸落ち着けっ!!美紅のことだ。美紅が悪い訳じゃないだろ!!」

「そっすよ!!先輩だけが辛いんじゃないんですし。美紅先輩に怒るのは違うんじゃないっすか??」

陸。本気で怒ってる。こんなに怒らせて、私ほんとにばかだ。陸ごめん。ごめんね。転校の本当の理由も言えなくて、怒らせて、傷つけて。本当にごめん。

「マネージャー。陸には幼なじみなんだから本当の転校の理由言ったらどうだ??陸だったら言っても大丈夫だと思うぞ??」

「監督がそう言ってくださるのは有難いんですが、やめておきます。皆にはもちろん、陸にはもっと迷惑をかけたくないので。」

「それでお前は後悔しないか??」

「分かりません。いつかは、陸に言わないといけないけど、今はまだ言えないです。」

「そうか……。まだ時間はあるんだ。お前にとって後悔しない答えをだせよ。」

「はい。ありがとうございます。」

監督。いつもありがとうございます。でも陸にも私言えないかもしれないです。