気づけば朝だった。
あの後、どうなったんだろう。
そう思いながら洗面所へ行き、顔を洗い、歯を磨く。
リビングへは行かない。さっき玄関を見たら2人の靴があったから。
部屋に戻って、昨日のうちに買ってあったパンを食べ、制服に着替え、髪を結う。
さくらに「今日は先に行くね」と連絡を入れて、家を出る。

学校についてからはいつも通りだった。
朝は田中くんと高橋くんと、さくらと話す。
授業を受けて、寄り道をする。

「なー、そういえば、8月14日って花火大会だよな?行こーぜ!」

「どんだけ先の話してんのよ」

「いーだろ!別に!」

「行きたい!」

「おっ!佐藤、今回はいつになく乗り気じゃん!」

「まあ、その話はもう少し日が近づいてからな?」

「そ、そうだね……!」

花火大会で興奮するなんて、ちょっと子供っぽすぎるよね、恥ずかしい……!
言ったあとで、後悔する。
後悔先に立たずとはこういうことを言うのではないだろうか?

「それにしても、あっついねー」

「もう7月だもんね」

「20日から夏休みかー」

「あっ、3人とも夏休み中予定入ってないか?ひとつも」

「私はなにもないよ?」

「私も!」

「俺もー」

「じゃあ!」





「ただいま〜!」

今日は誰もいない。
でもそんなことはどうでも良かった。
夏休み初日から高橋くんの別荘に行くことになった。
話によると、沖縄の海が見える位置にあるらしい。
沖縄に行くのも、海を見るのも、どちらも初めて。
そもそも遠出をしない。
きっと楽しい旅行になるだろう。
あー、楽しみ。
一週間滞在するらしい。
新しい服、買わないとなあ。

「へへへっ」

あぁ、楽しみで仕方ないや。