あの後、無事に入学式とクラスでの自己紹介を終えて放課後になった。
「ひーなっ!帰ろ!」
「うん!」
部活見学が放課後あるみたいだけど、私たちは入る気がないので、この後ちょっと寄り道して帰ろうかと朝のうちに話し合っていた。
「ちょいちょい、お二人さん」
「なに?田中」
「良かったら俺らと寄り道しながら帰らね?」
「俺たち部活見学とか行かないしどうかな?」
「私はいいよ!さくらは?」
「うーん、うん!いいよ!行こ!」
結局、私とさくらと高橋くんと田中くんの4人で寄り道して帰ることになった。
下駄箱まで行くのに時間がかかった。
相変わらず、さくらの方向音痴さには呆れる。
「鈴木ってかなり方向音痴だな!」
「うっさい、田中!」
校門を出た後ぐらいから田中くんはずっと笑っている。
まぁ確かに初めての人はこういう反応するのかも……。
隣にいる高橋くんも苦笑していた。
「鈴木さんっていつもこうなの?」
「うん、初めて行く場所に行くと必ず迷子になるの」
「ちょっ、陽菜!!」
「マジか、そんな酷いのかよ」
「田中は黙ってて!!」
「ふふっ」
「そういえば今どこに向かって歩いてるんだ?」
高橋くんのそんな一言で前を歩いていた2人が急に止まった。
するとお互いに顔を見合わせて不思議そうな顔をする。
後ろを歩いていた私と高橋くんは2人について行っていたけど……。
たしかに、どこに向かってるんだろう?
「俺は鈴木について行ってるぞ」
「何言ってんの私が田中について行ってるんだし」
つまりは目的地が決まっておらず、ただ闇雲に歩いていただけ。
体力の消費の無駄にも程がある。どこか少し休める場所をとキョロキョロ辺りを見回してみると、ちょうどファストフード店があるのが見えた。
「と、とりあえず、あそこで休憩しながらどこいくか話そう」
「そうだな」
そんな私の言葉を聞いててくれたのは、高橋くんだけで……。
さくらと田中くんは未だにどこに行くかを道の途中にも関わらず話し合っている。
「湊!鈴木さん!」
「なんだよ?」
「なに?」
「あそこの店に入ろう。 目的地はそれから決めよう」
「そうだな!」
「陽菜いこ!」
「え、ちょ、さくら引っ張んないでよー!」
流石のさくらもすぐ目の前にあるお店までの店は迷わないみたい。
ってちょっとこれは失礼か。
それぞれ食べ物を頼んで席に着く。
「ふふっ」
「どうかした?佐藤さん」
「あっ、ううん。なんでもないよ」
ただ楽しくなっただけ。あんまり友達と寄り道して帰ることなんてなかったし、まさか入学初日でこんな素敵なお友達が2人も出来るなんて思ってもみなかった。
さくらもなんだかんだで楽しそうだしね。
あの後、私たちはゲーセンに行ったり、本屋さんに行ったり、LINEも交換して……
本当に楽しかったなぁ。
「楽しかったね!」
「うん、こんなに楽しかったの久しぶりかも」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ! あっ、ほら! もう着いたよ!」
「あっ、ホントだ」
「それじゃあ、また明日ね!」
「うん、また明日!!」
そう言って私に背を向けて歩いていくさくらを見てるとなんだか、いつも言えないようなことが言えるような気がして……
「さくら! 今日はありがとう!」
「こちらこそ!」
そう言い、後ろを振り向き手を振るさくらに、私も手を振り返す。
今度こそ振り返らず歩くさくらを見て私は家に入った。
「ひーなっ!帰ろ!」
「うん!」
部活見学が放課後あるみたいだけど、私たちは入る気がないので、この後ちょっと寄り道して帰ろうかと朝のうちに話し合っていた。
「ちょいちょい、お二人さん」
「なに?田中」
「良かったら俺らと寄り道しながら帰らね?」
「俺たち部活見学とか行かないしどうかな?」
「私はいいよ!さくらは?」
「うーん、うん!いいよ!行こ!」
結局、私とさくらと高橋くんと田中くんの4人で寄り道して帰ることになった。
下駄箱まで行くのに時間がかかった。
相変わらず、さくらの方向音痴さには呆れる。
「鈴木ってかなり方向音痴だな!」
「うっさい、田中!」
校門を出た後ぐらいから田中くんはずっと笑っている。
まぁ確かに初めての人はこういう反応するのかも……。
隣にいる高橋くんも苦笑していた。
「鈴木さんっていつもこうなの?」
「うん、初めて行く場所に行くと必ず迷子になるの」
「ちょっ、陽菜!!」
「マジか、そんな酷いのかよ」
「田中は黙ってて!!」
「ふふっ」
「そういえば今どこに向かって歩いてるんだ?」
高橋くんのそんな一言で前を歩いていた2人が急に止まった。
するとお互いに顔を見合わせて不思議そうな顔をする。
後ろを歩いていた私と高橋くんは2人について行っていたけど……。
たしかに、どこに向かってるんだろう?
「俺は鈴木について行ってるぞ」
「何言ってんの私が田中について行ってるんだし」
つまりは目的地が決まっておらず、ただ闇雲に歩いていただけ。
体力の消費の無駄にも程がある。どこか少し休める場所をとキョロキョロ辺りを見回してみると、ちょうどファストフード店があるのが見えた。
「と、とりあえず、あそこで休憩しながらどこいくか話そう」
「そうだな」
そんな私の言葉を聞いててくれたのは、高橋くんだけで……。
さくらと田中くんは未だにどこに行くかを道の途中にも関わらず話し合っている。
「湊!鈴木さん!」
「なんだよ?」
「なに?」
「あそこの店に入ろう。 目的地はそれから決めよう」
「そうだな!」
「陽菜いこ!」
「え、ちょ、さくら引っ張んないでよー!」
流石のさくらもすぐ目の前にあるお店までの店は迷わないみたい。
ってちょっとこれは失礼か。
それぞれ食べ物を頼んで席に着く。
「ふふっ」
「どうかした?佐藤さん」
「あっ、ううん。なんでもないよ」
ただ楽しくなっただけ。あんまり友達と寄り道して帰ることなんてなかったし、まさか入学初日でこんな素敵なお友達が2人も出来るなんて思ってもみなかった。
さくらもなんだかんだで楽しそうだしね。
あの後、私たちはゲーセンに行ったり、本屋さんに行ったり、LINEも交換して……
本当に楽しかったなぁ。
「楽しかったね!」
「うん、こんなに楽しかったの久しぶりかも」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ! あっ、ほら! もう着いたよ!」
「あっ、ホントだ」
「それじゃあ、また明日ね!」
「うん、また明日!!」
そう言って私に背を向けて歩いていくさくらを見てるとなんだか、いつも言えないようなことが言えるような気がして……
「さくら! 今日はありがとう!」
「こちらこそ!」
そう言い、後ろを振り向き手を振るさくらに、私も手を振り返す。
今度こそ振り返らず歩くさくらを見て私は家に入った。