2学期最大のイベント。それは、学校祭だ。
学生達が忙しなく、それでいてどこか楽しそうに、準備に励んでいた。
そんな学祭、私たちのクラスはお化け屋敷をやることになった。
どこのクラスでも、いや、どの学年でも多かったこの案が1年生の、しかも私たちのクラスでやれるようになった理由は、じゃんけんらしい。
どうやら、3年生の先輩がじゃんけんで決めようと持ちかけたらしい。
そして見事、勝利したというわけである。
私の仕事は小道具作りと当日の接客業である。
そして、高橋くんも接客業。
彼はこの手のものはどうやら苦手らしい。
小道具作りの最中はずっと文句を言っている。
そして、さくらと田中くんはお化け役。
まあ、なんとなく予想はできていた。
「あー、嫌だなあ」
「ふふふっ、また言ってる」
「なになに、お二人共良い感じな感じ?」
「何言ってんだよ、湊」
「ひーなっ!」
そう呼びかけられ後ろを振り向くと、そこには傷メイクをしている、さくらがいた。
「ちょっ!さくら!!」
「あははっ!うわっ痛いよ陽菜!」
「さくらが悪い」
私が驚いてるのを喜ぶさくらの背中を思いっきり、叩く。
当然の事ながら、痛いらしい。
そんな私たち二人を見て、田中くんと高橋くんまでもが笑っている。
「2人まで笑ってるし……」
もちろんそれを見た私は、不機嫌になる。
そんな私を見て慌てるのが高橋くん、今も尚笑い続けているのが田中くんである。
「いやー、佐藤ってさ、最初は大人しいやつって思ってたけど違くてさ、見てて面白いわ」
「田中くんそれどういう意味」
「ははは……いや、元気があるってことだよ。普通にいいと思う」
そんなふたりの言葉を聞いて私の口から漏れるのはため息。
このふたりは一体何が言いたいんだ、私を貶してるのか褒めてるのかわからない。
「陽菜が大人しいわけないじゃん!」
「さくら?」
「ま、まあまあ、落ち着いて。早く終わらせよう」
「うん……」
「はーい!」
「おう!」
私のことを散々いじってなんなんだ、私はさっきまで真面目にやっていたのに……。
私の機嫌は悪くなるばかりである。
◆
現在16時30分。
活動していい時間は17時までということもあり、今はみんなで片付けの最中。
私はゴミ捨てに向かっている。
「もう、私のこと散々いじって……なんなのさ…」
さっきから口をついてでるのは文句ばかり。
ふと我に返り、何言ってんだか。と1人苦笑してしまった。
「よいっしょっと……」
やっと、外にあるゴミ捨て場に着き、なんとか両手に持っていた重たいゴミを捨てる。
「ふぅ……」
ふと空を見ると、夕日が見えた。
今日の空は、赤よりのオレンジ。この色は何色と言うんだろう。
絵描き等に疎い私はそんなのも知らないが、この空は率直に綺麗だと思った。
人や車、通るもの全てがシルエットになっている。
まるで、映画などの演出のよう。
ふと、携帯のカメラで撮ろうと思った。
カシャッというシャッター音と共に私の携帯には、夕日が映し出された。
「うん、うまく撮れた」
1人喜び、それを『空』のアルバムに保存する。
今まで撮った、空はまだ少ないが、どれも綺麗だ。
「ふふっ」
嬉しく、そして楽しくなりつい笑みがこぼれた。
「佐藤さん!!」
「早く来いよー!!」
「荷物も持ってきたよー!帰ろー!」
「あっ、わかったー!」
3人を待たせていたのをすっかり忘れていた。
ここから見る3人は、やっぱりシルエットになっていた。
学生達が忙しなく、それでいてどこか楽しそうに、準備に励んでいた。
そんな学祭、私たちのクラスはお化け屋敷をやることになった。
どこのクラスでも、いや、どの学年でも多かったこの案が1年生の、しかも私たちのクラスでやれるようになった理由は、じゃんけんらしい。
どうやら、3年生の先輩がじゃんけんで決めようと持ちかけたらしい。
そして見事、勝利したというわけである。
私の仕事は小道具作りと当日の接客業である。
そして、高橋くんも接客業。
彼はこの手のものはどうやら苦手らしい。
小道具作りの最中はずっと文句を言っている。
そして、さくらと田中くんはお化け役。
まあ、なんとなく予想はできていた。
「あー、嫌だなあ」
「ふふふっ、また言ってる」
「なになに、お二人共良い感じな感じ?」
「何言ってんだよ、湊」
「ひーなっ!」
そう呼びかけられ後ろを振り向くと、そこには傷メイクをしている、さくらがいた。
「ちょっ!さくら!!」
「あははっ!うわっ痛いよ陽菜!」
「さくらが悪い」
私が驚いてるのを喜ぶさくらの背中を思いっきり、叩く。
当然の事ながら、痛いらしい。
そんな私たち二人を見て、田中くんと高橋くんまでもが笑っている。
「2人まで笑ってるし……」
もちろんそれを見た私は、不機嫌になる。
そんな私を見て慌てるのが高橋くん、今も尚笑い続けているのが田中くんである。
「いやー、佐藤ってさ、最初は大人しいやつって思ってたけど違くてさ、見てて面白いわ」
「田中くんそれどういう意味」
「ははは……いや、元気があるってことだよ。普通にいいと思う」
そんなふたりの言葉を聞いて私の口から漏れるのはため息。
このふたりは一体何が言いたいんだ、私を貶してるのか褒めてるのかわからない。
「陽菜が大人しいわけないじゃん!」
「さくら?」
「ま、まあまあ、落ち着いて。早く終わらせよう」
「うん……」
「はーい!」
「おう!」
私のことを散々いじってなんなんだ、私はさっきまで真面目にやっていたのに……。
私の機嫌は悪くなるばかりである。
◆
現在16時30分。
活動していい時間は17時までということもあり、今はみんなで片付けの最中。
私はゴミ捨てに向かっている。
「もう、私のこと散々いじって……なんなのさ…」
さっきから口をついてでるのは文句ばかり。
ふと我に返り、何言ってんだか。と1人苦笑してしまった。
「よいっしょっと……」
やっと、外にあるゴミ捨て場に着き、なんとか両手に持っていた重たいゴミを捨てる。
「ふぅ……」
ふと空を見ると、夕日が見えた。
今日の空は、赤よりのオレンジ。この色は何色と言うんだろう。
絵描き等に疎い私はそんなのも知らないが、この空は率直に綺麗だと思った。
人や車、通るもの全てがシルエットになっている。
まるで、映画などの演出のよう。
ふと、携帯のカメラで撮ろうと思った。
カシャッというシャッター音と共に私の携帯には、夕日が映し出された。
「うん、うまく撮れた」
1人喜び、それを『空』のアルバムに保存する。
今まで撮った、空はまだ少ないが、どれも綺麗だ。
「ふふっ」
嬉しく、そして楽しくなりつい笑みがこぼれた。
「佐藤さん!!」
「早く来いよー!!」
「荷物も持ってきたよー!帰ろー!」
「あっ、わかったー!」
3人を待たせていたのをすっかり忘れていた。
ここから見る3人は、やっぱりシルエットになっていた。