霊殿のポストに黒い手紙が届いたのは、今日の早朝。
ポストに依頼が入ってくるのは珍しい事ではないが、黒い手紙は珍しい。
依頼人は"異国"の紳士からだった。

「依頼人の名前は不明だね」
「内容は?」
「『タンプル塔の幼い霊を助けてやってくれ。』だってさ」

上から、愛美、焚杜、朔埜の順で話し出す。

四人の肩には、1匹ずつ龍の姿も目に入る。


「タンプル塔ってことはルイ17世か」
「悲惨な最期を遂げたマリーアントワネットの息子か」
「10歳で亡くなった彼の想い。叫び。」

「フランスかー。ハクとかに乗ってけば秒でフランス行きだよねー」
「・・・」
瑞希の声で全員が黙る。

「いやそこはシリアスに続けよ!」
「まぁまぁ落ち着けって朔埜。瑞希に空気を読むってものは難しい話」
「そぅそぅ。空気を読まない瑞希ちゃんだよ・・・ごめん自分でゆってて吐くわウェ」
「瑞希そろそろウザいよ?」
「ごめんって愛美」

賑やかな四人に対し、四大光龍は、冷たい言葉を零す。

「さっさと資料、集めるなりしなさいよ。」
白龍のハクの言葉。

「ルイ17世の人生味わえよもう」
青龍のスイの言葉。

「俺らまた交通手段に使われるわけ?偉大なる四大光龍なはずなんだけどな」
黒龍のクロの言葉。

「いや、みんなも落ち着こう、ね?」
赤龍のコウの言葉。

ん?結構、龍も自由って?
ほら、この主にして、っていうじゃない!
そーゆー事だよ