「お、おまたせっ」
覚悟を決めたあたしはリビングへと
足を踏み入れた。
リビングは…
特に言い合った様子もなく、
相変わらず静か。
あたしから…聞くか。
「きょ、今日は何の用?」
いざとなると緊張しちゃって
噛んでしまうあたし。
な、情けない…。
「ああ、直入に聞くけどさ。
2人は…付き合ってんの?」
…え!?
「そ、それだけ…?」
「や。話はこれからだけど。
質問に答えて?」
返答に困る。
こういう時は嘘ついた方が
いいのかもしれないけど
それで隼が嫌な思いしたら…嫌だし。
逆に…今のままじゃいられなくなる。
あたしは口を開いた。
「…付き合ってな…」
「付き合ってるけど?」
「「…え?」」
あたしを真咲の声が重なる。
や、ヤバっ。バレた??
すると、隼があたしに耳打ちをした。
「黙って、付き合ってるフリしろ。」
…と。
あたしは小さく頷いて真咲の方を見た。
「眸…本当?」
「…うん。」
妙にあたしの心臓がうるさくなる。
ただの嘘だって言うのに、
嬉しさと安心が込み上げてくる。
「…そっか。」
納得したような、でもどこか寂しそうな
声だった。
「じゃあ、2人が同棲してるってことは…」
「…知らないけど?」
「…え?」
「クラスの…奴らだろ?」
その言葉を聞いた瞬間、
真咲は…ニッと笑った気がした。
あたし…だけかな。

