普段は眸じゃないんですか?


 なーにが藤沢さんだあ!


「…何ですか」


わざと素っ気なく敬語で答える。


「後で話あるから…いい?」


…君、マジで誰?


何か、中学よりも爽やかすぎない!?


 優しすぎるっていうか…何ていうか…



「ふ、じさわさん…?」


「あー、はい。じゃ、待ってるんで」


あたしはそう言うと教室を出て、


 昇降口へと向かった。


待ってるのやだな。


 いいやっ!帰っちゃお。


どうせ、大したことないでしょ。



 あたしは、昇降口に着いても、


ピタリとも止まらずに帰った。



そして。


真咲が周りに居ないかを確かめて、


 家へと入った。



何か、泥棒みたいだな。



 第一アイツがこっちに来るから…


親の都合でどっか引っ越したとか


 言ってたくせに…。


もう、何かいい気がしない。


 ただ一言。



………最悪!