「え!?カッコよくない!?」

「超美形ー♪」


そんな声が教室に響く。


「なかなかイケメンね♪」

來名までそう言う。



「來名…?実はね…」


「はい。自己紹介してー」


先生の声があたしの声を遮る。

「眸?どした?」

「あっ、後で話す!」


あたしはそう言うと、


 静かにアイツへと目を向けた。


やぱりアイツは爽やか青少年のように

 笑っていて。


「初めまして。成田真咲です。
 今日からよろしくお願いします。」


と、優しく微笑んだ。



な、何よ…アイツ。


 どんだけ猫かぶりなのよ…。


ほんと、馬鹿みたい。



いいや!気にしない!

 何とも思ってなきゃ平気だし。 




初めはそんな軽い気持ちだった。



 この後、事件が起こるのを知らなかったから。




アイツの…真咲の…


 ここに来た意味が…分かるのも知らずに…