常葉君の声なんて全く
耳に入らなかった。
駆け巡る言葉…
『俺も近々編入するんで♪』
『ねえ、俺の女になってよ?』
何となく接点がある気がする。
夢。夢だよ?
でも、
『あるんじゃねぇの?』
隼がそう言った。正夢について。
何でか分かんないけど、
ゾクゾクと寒気がする。
「おーい?ひーとみちゃん?」
「…っへ!?」
「…大丈夫??」
「あ、ああ、うん…」
「そ。なら良かった♪
じゃ、先戻ってるねー」
常葉君は手をひらひらさせて
教室へと戻って行った。
あたしも後に続くように
教室へ戻った。
「おーい。座れー。
今日は編入生がいるぞー。」
タイミングよく担任が入ってきてそう言った。
たちまちあたしの心臓の鼓動が速くなる。
―――ドクッドクッ。
「さ、入りなさーい」

