「…っ!!」

みるみると赤くなるあたし。


それを察したかのように、あいつは、


「ほら。赤くなってる。 
 俺に惚れたっしょ?」

余裕そうな顔で、いつもの笑顔を見せた。



「やだっ…怖いよ…」


「何で?何で怖いの?」


「…え?」


「俺は…神楽よりも…
 …いい男なのに」


何を…言ってるの?

「眸は何で俺より神楽なの?
 分かんねえよ…」

真咲は寂しげな顔を見せた。


 今までには見せなかった顔。


「まさ…どうしたの…?」


「どうしたのじゃねぇよ。
 俺と神楽の何が違うわけ?」


何が……違う?


「そんなの…」

「同じようなもんだろ!?
 変わんねぇよ!!」


「ちょ、真咲…!」


「おい、答えろよ!
 神楽の何がいいんだよ!」


や…めてよ、怖いよ…


 あたしの体はただ震えるばかりだった。



途端に視界がぼやけるのが分かった。


「泣いたって…分かんねえよ…」








「……きろ!」
   
   夢はそこで途絶えた。