その夜。また夢を見た。


今度は悲しい訳ではなかった。


あたしは学校に居て、

目の前には…あいつ。


 その距離…わずか10センチ。


「な、何なのよ!」

と、ヒステリックなあたしの声が響く。


すると、真咲は

「ねえ、俺の女になってよ?」


そう言ってまた顔を近づけてきた。


「は、はあ!?何言ってる…」


「あんな男よりも
 俺の方が絶対いいと思うけど?」


あり得ないくらい本性を出している真咲。


 周りは学校じゃないくらい…


もちろん、人はいっぱいいる。

みんな注目している。


 でも、真咲は本性を止めようとしない。


「ちょ、や、…」


「俺の女になんないなら…
 どうなっても知らないよ?」


やだ…怖い。いつものあいつじゃない。


「な、何か変だよっ!
 いつもはこんな性格じゃ…」


「俺は元からこうだけど?」


「やっ!!離してっ!!…!?」


そんな叫びも虚しく…



 あたしは真咲にキスをされた。