―――それからしばらく経ったある日。


「ねえ、眸?」

近くのカフェでお茶してたあたし達。


來名は何やら真面目な顔をしてる。


「何?どうしたの?」

「あたしさ…好きな人出来ちゃったみたい」

「…え!?」


思わずケーキを落としそうになった。


 だって、好きな人って…?


「ちょっと!驚きすぎ!
 あたしだって女の子なんだからね!」

「ちがっ…そう言う訳じゃ…」

正直驚いた。

 だってあのSの來名がだよ?


誰だってビックリするでしょ。


だけど、少し興味もあった。

來名ってどんな人に恋するのかな…?


「ね、ねえっ
 相手はどんな人?」

「んー?優しくて面白くて
 頼りがいのある人!」


…あたしの理想のタイプの人じゃん。


「ちょっと!それあたしの理想の…」

「いいじゃん?眸には神楽君がいるんだし♪」


ええ? 何でいつのまに『神楽君』なわけよ?


 しかーも!まだあたしは好きじゃないし!

「まだ好きじゃないもん!」

あたしは思い切って言い返す。

 ……が。




「…まだ?」


來名がニヤッと笑ったのがすぐに分かった。