「今回の、カレー?は美味かったけど
もし不味かったら出て行くとでも思ったの?」
「え?…うん」
って!カレー?って何で疑問形なのよ!
どう考えたってカレーにしか見えないし!
まったく…そう思っていたら、
急にでこピンをされた。
「…った」
「例え、料理が不味くても、
俺が作るって最初に言ったよな?」
…あ、そう言えば言ってたっけ…
すっかり忘れてた。
「つまり、どんなに不味いの作っても
効果なしってわけだな」
そう言って隼はニヤッと意地悪な笑みを浮かべた。
…作戦は呆気なく終わってしまった。
やっぱり、あたしの考えが甘すぎたか。
「じゃ、俺は風呂入ってくる」
「あ、いってらっしゃい」
いってらっしゃい…か。
いつの間にそんな言葉をかけるように
なったんだろ…
気がつけば『ただいま』『おかえり』
『いってきます』『いってらっしゃい』
『おはよう』『おやすみ』
そんな言葉を言うのが日課になってた。
まだ同棲して間もないのに。
何だかまるで何年も同棲してるかのような感じ。
…変なの。

