それ以来。

その男の子はずっとあたしの傍に居てくれた。


でも、男の子はあたしとは真逆で

いっつもみんなの輪の中心に居る感じの子。


つまり…フレンドリーなのかな。


その子が1人でいるのなんて見たことがないくらい


周りにはいつも友達がいた。


友達とすれ違うたびに

「王子ー!!おはよー☆」


「王子!!お弁当食べようよ!」


「今日王子と遊びたーい!」


王子?ちょっと不思議に思ったあたしは


本人に聞いてみた。


「何で、王子って呼ばれてるの??」


「…分かんない。
 眸ちゃんも、王子、て、呼んで」


そう言われた時、

何だかあたしはあの輪の中に入れた気がして


嬉しかった。


本当は本名とか聞きたかったけど


いつの間にか忘れてて。


みんなと一緒に


あたしも“王子”って


呼んでたっけ。