あたしは一瞬その言葉を疑った。


だって…友達なろうって?

「え?」


しばらく首を傾げていたあたしに

男の子は。


「これ…あげる」


そう言って小さなたんぽぽをあたしに渡した。


「え?」


また、あたしは言葉と共に首を傾げる。


「友達の、…証」


少しだけ無表情だった

男の子の口元が緩んだのが分かった。



正直すっごく嬉しかった。


もともと友達も少なかったあたしには

いっつも真咲だけだったから…。


そんな真咲に避けられたら

あたしは孤独になるだけだ。



小さい頃は人見知りって事もあって


自分から話しかけるのは滅多になくて、


だから、その男の子の言葉が嬉しかった。



「…うん!!」

あたしは本当にうれしくて

貰ったたんぽぽを握り締めながら



その場を立った。