―― side眸 ――
「って訳。分かった?」
真咲はそう言って軽く微笑んだ。
いや…分かんないよ。
まぁ、お金に困ってないって言うのは知ってる。
でも…藤沢家に裏があるなんて…?
何か引っかかる。
それに…真咲の両親が自殺だなんて…
キャバで働いてた? 何それ。
裏藤沢家に騙されてて
あたしを避けてた? 何それ。
パシリにしたのは…
ちょっとした束縛? 何それ。
何それ何それ。 …分かんないよ。
突然の真実にあたしの心臓は
騒ぎ出す。
頭の中のパズルも再び崩される。
ねぇ…真咲?
もっとさ…分かるように説明してよ?
「……あ、」
「…え?眸?」
何でだろうね。
自然にさ、足が動いちゃったんだよ。

