それから俺はあっさりと家を出た。
そう。母親が不敵に笑ってるのも知らずに。
そして俺の足は親戚の家へと向かった。
―――ピンポーン。
チャイムが鳴って数秒後。
「あれっ?まーくん?」
俺の従姉の未咲(みさき)が出てきた。
「悪い。今日からさ、住ませてくんねぇ?」
自分でもいきなりすぎだと思う。
でも、未咲姉は昔から優しい人で
俺のわがままを拒否った事はなかった。
予想通り、未咲姉は
「家出でもしたの?
部屋片付けるから上がって待ってて♪」
ほら…な。
やっぱ、未咲姉のとこ来て良かった。
よし。すぐにでも、勉強して
一刻も早く花園に
編入しなきゃな。

