なかなか答えを出そうとしない
長谷川を見て眸は
じれったく感じてたんだと思う。
俺がフッと視線を外し、戻した瞬間に…
眸は長谷川にキスをしていた。
「…!?」
長谷川は驚いた顔をする。
でも一番驚いたのは…多分俺だ。
自分の好きな人が…知らない男とキスをしている。
そんなの…見てられるもんか。
しばらくして、長谷川が眸を突き飛ばした。
俺は少しだけ安心する。
けど、同時にイラつきも出てきた。
だって…
「何すんだよっ!!」
「…それくらい…好きなのっ!!」
俺が言われたい言葉を…
俺の知らない男に…
言ってるんだぜ?
俺はその場に居たくなくて
眸に背を向け、
自宅へと走っていった。

