それからしばらく。


俺は眸とは一切関わらなくなった。


眸は最初、一生懸命俺に話しかけてきたが


俺はそれを無視し続けた。



正直…辛かった。


まだ幼いからでもあると思う。


けど。無視されて哀しい顔をしてる眸を見た俺は



いつも胸が痛んだ。



幼いながらも、俺は眸が好きだったんだと思う。



それは…中学まで続いた。


ただ…小学校に上がってからは



   シアワセ
小さな幸福が俺に訪れた。



俺の親は、あの後、


夜、頻繁に家を出るようになった。


要するに朝帰り。


その意味が…大人の道に進むにつれ、


だんだんと理解していった。


そして…


「真咲。私がしてる仕事、言っちゃ駄目よ?」


親がそう言ってきた。


俺は、嫌味ったらしく


「分かってるよ。親が“キャバクラ”で
 働いてるなんて誰も言わねぇよ」