軽く嘘に後悔してたその瞬間。
俺の頬が一気に赤く染まった。
途端、俺は床に尻餅をついた。
慌てて顔を上げた。
その視線の先には、
どこかの殺人鬼のような目をした
母親だった――
泣くことすらできない。
ただただ…母さんを見つめることしかできなかった。
あの顔は今でもしっかりと覚えている。
何より、今までそんな怖い親を見たことが
無かったから。
俺は生まれてからこの頃まで
裕福な生活をずっとしてきた。
欲しいものがあれば買ってもらい
毎日のご飯はとっても豪華。
嫌いな食べ物なんて出てくることはなかった。
その為か俺は…
周りからも甘えん坊だと言われるようになった。
別にそれは嫌ではなかった。
みんなは俺を可愛がってくれている。
それが嬉しくてたまらなかった。

