「…ってえ、」
怖いお兄さんに殴られた隼は
地面に体をついて、身を一歩引いた。
「貧弱なお兄さんさぁ…
金、いつから貸してると思ってんのぉ?」
…え? 金貸してるって…
いつからって…
「お兄さんがさぁ、小せぇ頃から
貸してやってんだよぉ?」
「んなの…分かってるよ」
「じゃあさぁ…さっさと返して
くんねぇかなぁ?
勿論。利子もプラスだよぉ?」
「なっ!…それはっ… ぐはっ!」
今度は、真咲がお兄さんに殴られた。
あたしは叫びそうになった口を
急いで閉じて我慢した。
意味が…分からない。
借金してるってこと? お兄さんたちに?
「真咲っ!!!」
「いい加減にしてくんねぇ?
金返せってのが聞こえねぇのかよぉ?あぁ?」
「だ、か…ら。あ、と…す、こ…し」
「…っへ。お兄さん。
今月中に返せねぇと命はないと思えよなぁ?」
怖いお兄さんたちは再度
真咲を殴ると路地裏を出て行った。

