「思ったよりも広く作ってんだな。」

辺りを見まわしながら奴は言った。


キス…好きな人だけとしたかったのに…

なんだろ…本当に頭が真っ白。


「な、何で…?」

「…は?」

無意識のうちにそう呟いていた。


「何?どうした?」

その言葉でフッとあたしは我に返った。




そうだよ!何なのよ!マジで!

「ちょっと!」

「うわ。急に我に返ってるし。」

「そんなのはどうでもいい!
 キスとか同棲とか、
 何なのよ!?」

「まだ聞くわけ?」

「あ、当たり前でしょ!」

その途端、奴はまたあたしにキスをした。


「その内分かる。」

そう言うと奴は部屋を出て行こうとした。


その内分かるって…

駄目だ。言い返す言葉が見つからない。


って!

「ちょっと、あんた!どこ行くのよ!?」

「どこって、荷物取りに?」

「あたし、まだ同棲なんて認めてないわよ!」

「…じゃあ。」

すると急に奴が近づいてきて。


―――あたしをベットに倒した。


「ちょ、何するのよ!?」