桜の花びらがチラチラと舞い、海の色も青く綺麗な朝。

 今日は、リゾートホテルの経営発表の日。昨日から、緊張と、あまり着慣れないスーツを目の前に落ち着かない。

「おはよ―」

 店からの声に、慌てて階段を降りた。


「うわ―っ。美夜さんどうしたの?」

 私は驚きと嬉しさで、美夜さんに抱きついた。


「準備にきたのよ」


「何の?」

 私は、きょとんと美夜さんの顔を見た。


「今日ホテルに行くんでしょ? 私も呼ばれているの。早く着替えて!」


「う、うん」

 そう言えば、美夜さんも、いつもと違って綺麗な黒いワンピーズを着ている。美人がますます目立つ。


「美夜さん、綺麗……」

 思わず、ポロリと口から出てしまった。


「私の事はいいから!」

 私は、美夜さんに引きずれるように二階に上がった。

 美夜さんは、手にしていた大きなロゴの入った紙袋を開いた。中から鮮やかなブルーのワンピースが出て来た。しかも、あちらこちら白い石がちりばめられキラキラと光っている。


「綺麗…… 誰が着るの?」

 私は、ワンピースを見つめて言った