恋愛部!(第7話)

────そして、ついに私が勝利に気持ちを伝える大事な時がやってきた。

実奈「…」
勝利「…」

実奈「…ごめんね。急に呼び出して」
勝利「ううん。どうしたの?」
実奈「…私…」
勝利「…?」
実奈「…私ね。勝利の事…が…」
勝利「…」
実奈「勝利の事…」
勝利「…うん」
実奈「す…」
勝利「す?」
実奈「(ここまで言って察してくれたらいいのにぃ泣)」
実奈「す…ん、凄く…!映画に誘いたくて仕方なかったんだァ!」
勝利「…え?」
実奈「はぁ…」
実奈「(言えなかった…)」
勝利「あ、あぁ、そうなんだ〜!じゃあ今度一緒に行こうよ!バイトとかある?いつ行こっか?」
実奈「バイト…は…やってないからいつでも大丈夫…」
勝利「どうしたの?なんか顔色悪いけど…」
実奈「あ、うん、大丈夫大丈夫」
勝利「じゃあーまた連絡するね!」
実奈「うん。じゃあ教室戻るね」
勝利「はーい」

授業中…
ジャアプリントクバリマース
ガサガサ…(全員がプリントを配っていく音)
伽耶「はい」ガサッ
実奈「…」ボーっ
伽耶「実奈?」
実奈「えっ?あ、ごめんごめん」
伽耶「…」

放課後…
伽耶「ねぇ実奈。」
実奈「ん?なに?」
伽耶「ダメだったの?」
実奈「な、何が?」
伽耶「振られたの?って」
実奈「いや…それが」
伽耶「?」
実奈「…言えなくて」
伽耶「はぁ?!」(大声)
実奈「シーっ!」
伽耶「…あっ、」キョロキョロ
伽耶「言えそうな雰囲気作っといてそれはないでしょ!」(小声)
実奈「言えると思ったよ…でも、勢いで映画なんて誘っちゃった…」
伽耶「ん?」
実奈「かんっぜんに変な子だと思われたよ…」
伽耶「ちょっとまって」
実奈「え?」
伽耶「映画に…誘ったの?」
実奈「うん…ってだからそう言ってんじゃん…」
伽耶「それだ!!」
実奈「??」
伽耶「あのね?私恋愛とかそういうの全然わかんないんだけど、これだけはわかる。」
実奈「いや自分もわかんないんじゃん」
伽耶「必ず、恋愛ものを観るってこと!」
実奈「恋愛もの?」
伽耶「恋愛映画を観て、一緒に映画に来てる相手を思い浮かばせる…この人とだったらどうだろう…とかね…!」
実奈「…いや思わないから」
伽耶「そんなのやってみなきゃわかんないじゃん!」

風磨「そーだぞー。ってかお前笑勝利の事好きならそう言えよ〜笑」
実奈「顔がニヤついてるんですけど」
風磨「俺が協力してやってもいいかなーって思ってたのによ」
実奈「あんたに頼むとろくな事ないし」
風磨「は?お前よりマシだよ」
実奈「じゃあ頼めば何してくれたのよ言ってみなよ」
風磨「んー、とりあえず実奈のことどう思うかぐらい聞いたかな」
実奈「風磨…」
風磨「ふっ、それぐらい幼馴染なんだからよ」
実奈「…ありがと」

伽耶「で、何観るつもりだったの?」
実奈「それは…考えてなかった」
風磨「は、お前ほんとバカだな。それぐらい考えとけよ」
実奈「ん〜ごめん…だって、勢いで言っちゃったんだから…」
伽耶「それじゃあ勝利くんに任せるしかないでしょ。相手が観たいものにするか、任せるって言われたら恋愛映画にするか、だよね?風磨くん」
風磨「おう」
実奈「上手くいくかわかんないけど…頑張る」

────さて、恋の行方は…!

つづく